まぼろし鉱夫 洞窟の街・13月の風


198672日~6 全6ステージ

 第6回公演。
 かつて炭鉱があった街。今はその灯も消え、膨れあがる都会の一部として飲み込まれつつある中、坑内事故で死んだはずの鉱夫たちの姿が目撃される。彼らは幻なの
か?それとも亡霊なのか?滅びつつある街に、そこに生き残った者たちに、何を伝えようとしているのか?
 失われゆく街にしがみつく町長、その年若い妻は都会へ出て行く夢を見、その都会をドロップアウトしてきた男はこの街に居場所を探す。幾つかの物語が重なり合うとき、過去と未来が交錯し、そこに現れた者たちは…

 個人的には「銀輪部隊」からがアレフの
第2期だと思うのですが、その銀輪に次
ぐ第6作。
 私が、アレフで萬年さんが舞台に立ったのを見たのは、この作品だけでした。妄執に
取り憑かれたマッドな昆虫学者という役で、上の大きな写真の中央で見得を切ってい
るのが萬年さんです。割と楽しそうですよね。
 お話は、「あらかじめ失われたもの」がストーリーの核となっていること、それが最後
に復活する(それもまた、幻なのかもしれないのですが)ことなど、前作「銀輪部隊」か
らの繋がりが伺えます。“まぼろし鉱夫”とは、滅び行く街そのものが死の間際に見た
パノラマ視現象なのですが、街が滅びた後になお、彼らは封鎖された炭鉱の入り口を
つるはしで叩き割って帰ってきます。その強烈に印象的なラストシーンを、今でもよく
覚えています。
 劇中に盛り込まれる大道具の仕掛けも健在で、一番の見せ場は、昆虫学者に刺された町長の妻が漆黒の蝶に変わるシーン。いつも彼女が背負っているリュックの中に仕込んだ羽根をテグスで引いて拡げるのですが、練習中はこれの成功率が高くなく、本番中にこのシーンが近くなるとかなり緊張してました。
 この作品は、「ブラックナイト・ホワイトエッセンス」というイベントの一環として、東京・下北沢公演を行いました。前日の昼頃に現地入りをし、セッティングが終わったのが深夜の1時過ぎ、それからリハーサルというシビアなスケジュールで、全員がヘロヘロになっていたことを思い出します。当時、「小劇場演劇の街」と言われた下北沢も、近年は駅前が再開発されすっかり様変わりしつつあるという話を聞くと、あの頃の面影も無くなってしまうのか…などと、年寄り臭く思ったりするのでした。

(文:伊井章)
第2期だと思うのですが、














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