OYASUMI 1991


1990831日~98 全8ステージ

 第17回公演。そして、最終公演。
 OYASUMI 1991の台本を17年ぶりに読んだ。最後の公演から、なんと17年も経っていたのだ。しかし、台本を読んでいると、その時の情景が鮮やかに蘇る。自分が
どんな気持ちで、またどんな調子で台詞を言っていたのかさえも蘇ってくる。
 萬年さんの脚本はいつも私たち役者を、時空を超えた世界へ連れて行ってくれた…
 1990年、夜の公園から疾走して、失踪してしまったいく子。
それは大きな古代とんぼに乗った小学校の同級生、球一くんを捜すためだった。彼はいく子の大切にしていた「未来の物語の絵本」を持っているはずなのだ。
 理科野外実習の昆虫採集で、いなくなった友人の手掛かりを捜して、元理科教師が営んでいる街の写真館へやってきた男。しかし元理科教師は、過去を語ろうとはしない。

 夢のリカちゃんハウスで暮らす双子の姉妹リカとマサコ。それにボーイフレンドのイサムくん。しかし、その生活が幻想であることをあばく座長と劇団員。
 一年先の未来へ飛び込んだいく子。そこにはもうひとりのリカちゃんと幼なじみの座長のユキちゃんがいた。そして懐かしい理科室へと導かれる。
 元理科教師と男も、再び昆虫採集のため、あるいは自分を悩ませる夢のため、懐かしい理科室へ。  理科室に集まってきた人物たち、劇団員が演じる同級生と伝説の理科教師により、夜の時間割が始まる。
 いく子が捜す「未来の物語の絵本」はもうひとりのリカちゃんが持っていた。そしてその絵本の表紙は開かれた。同じ装丁の巨大絵本が開かれ、絵本の中の物語が始まる。その物語は過去と未来、夢と現実とが錯綜していく。
 1991年、たどり着いた未来、夜の公園。球一くんだった男から、いく子は「未来の物語の絵本」を手渡される。やっといく子の元に絵本は戻った。しかしその絵本の白いページに、いつの間にか老人によって、何かが描かれた。描かれたものは、いく子の未来だったのか…

 この百貨劇場最後の公演、OYASUMI 1991の打ち上げの時、萬年さんはアレフ結成から8年間、劇団に関わってくれた人達の名前を、すべて壁に書き出したのを思い出す。こんなにたくさんの人達が集まってくれ、力を貸してくれたのかとみんなで驚いた。
 萬年さんはそのすべての人達に、心から感謝を込めて、その名前を書いていたのだと思う。
 …皆さん、ありがとう…と。

(文:斉藤わこ)


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